深夜のガソリンスタンドで、この文字を見た時の絶望感。
あなたは想像できますか?
給油機のモニターの前で、逃げるように車に戻り、ダッシュボードの小銭入れを漁る。
財布には千円札が1枚。満タンにする金なんてない。
ジャラジャラと100円玉をかき集め、店員に見られないよう、背中を丸めて精算機に投入する。
40代半ば、いい歳をした大人が、たった数リットルのガソリンを入れるために冷や汗をかいている。
情けない。惨めだ。消えてしまいたい。
借金900万円で自己破産をし、免責が決定した直後のことでした。
僕の手元からは、楽天カードも、dカードも、全てのエポスカードも没収され、強制解約されていました。
現代社会において、クレジットカードを持てないということ。
それは単に「Amazonの買い物が不便になる」程度の話ではありません。
大袈裟でもなんでもなく、「人権の一部を剥奪された」。
破産者になった僕は、本気でそう感じていました。
現金生活のリアルな地獄
- ETCレーンを通過できず、一般レーンで後続車に舌打ちされながら小銭を探す。
- 格安スマホやWi-Fi契約画面で「クレカ必須」を見て、そっとブラウザを閉じる。
- ネットショッピングのたびに「代引き手数料」という罰金を払わされる。
「一生、この現金生活が続くのか?」
「あと5年、いや7年、喪が明けるまで耐えるしかないのか?」
毎晩のように「自己破産 クレカ いつから」「ブラックでも作れるカード」と検索しては、怪しげな金融業者の広告に吸い寄せられそうになる。
そんな地獄のような日々を過ごしていました。
しかし、現在。
自己破産から1年8ヶ月しか経っていない今の僕は、自分名義のクレジットカードを持っています。
最新のiPhoneを分割払いで購入し、ETCカードを挿したバイクで高速道路を走っています。
奇跡が起きたわけではありません。裏技を使ったわけでもありません。
ただ、「正しい順番」を守って、地道に信用(クレジットヒストリー)を積み上げただけです。
もし今、あなたがかつての僕と同じように、現金生活の不便さに絶望し、一刻も早くカードを作りたいと焦っているなら。
一度スマホを置いて、深呼吸をしてからこの記事を読んでください。
焦りは禁物です。
いきなり楽天カードに突撃して「瞬殺(秒で審査落ち)」され、さらに傷口を広げる前に。
僕が実践し、這い上がることができた「金融再生ロードマップ」の全てを、包み隠さずお話しします。
これは、一度死んだ「信用」を蘇らせるための、泥臭い蘇生手術の記録です。
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大前提:なぜ「順番」を間違えると死ぬのか?(申し込みブラックの恐怖)

まず最初に、残酷な現実を突きつけなければなりません。
自己破産をした直後の私たちに対する、金融機関の評価は「ゼロ」ではありません。
「マイナス100」です。
「破産しても、年収があれば作れるカードがあるらしい」
「アメックスは審査が甘いらしい」
そんなネットの噂を真に受けて、手当たり次第に申し込みボタンを押そうとしていませんか?
絶対にやめてください。それは自殺行為です。
なぜなら、信用情報機関(CIC)は、あなたのその「焦り」を完全に見透かしているからです。
信用情報機関(CIC)は、あなたの「焦り」を見透かしている
私たちがカードを申し込むと、カード会社は必ず「CIC」などの信用情報機関に照会をかけます。
そこには、あなたの借金履歴、返済状況、そして「自己破産(異動)」の事実が、誰が見ても分かるように記録されています。
いわゆる「ブラックリスト」入りの状態です。
破産直後の真っ黒な状態で、楽天カードやPayPayカードといった一般的なカードに申し込むとどうなるか。
審査担当者は、あなたの年収や勤務先を見る前に、CICの「異動」の二文字を見た瞬間に否決ボタンを押します。
AI審査であれば、0.1秒で弾かれます。いわゆる「瞬殺」です。
「年収600万の正社員に戻ったから大丈夫だろう」
そんな甘えは通用しません。僕は正社員に戻った後に申し込みましたが、結果は同じでした。
過去の「不義理」は、現在の「収入」では相殺されないのです。
半年間、何もできなくなる「申し込みブラック」の地獄
問題は、審査に落ちることだけではありません。
「落ちたから、次はヤフーカードにいってみよう」
そうやって連続して申し込むと、CICには「申し込み情報」という履歴が残ります。
A社に落ち、B社に落ち、C社に申し込んだ時。
C社の審査担当者はこう思います。
「この人、短期間に何社も申し込んでいるな。よほど金に困っているのか? それとも他社で全部断られるような問題があるのか?」
申し込みブラックとは
この「否決」や「申し込み」の履歴は、半年間CICに残ります。
つまり、一度乱れ打ちをしてしまうと、そこから半年間は、どんな対策も打てなくなるのです。
僕自身、このミスを犯しました。
自己破産から半年後、「外資系のアメックスなら、現在の属性(年収)を重視してくれる」という都市伝説を信じ、申し込みました。
結果は、申し込みボタンを押してから60秒後に届いた「残念ながら…」という定型メール。
メールボックスの前で、膝から崩れ落ちそうになりました。
「ああ、やっぱり俺はまだ許されていないんだ」
その絶望感は、破産手続き中の恐怖とはまた違う、冷たく重いものでした。
我々に必要なのは「審査」ではなく「実績(修行)」だ
はっきり言います。
今の私たちに必要なのは、審査に通るための「年収アップ」でも「作文テクニック」でもありません。
「実績(クレジットヒストリー)」という名の証拠だけです。
審査担当者は、あなたの「反省しています」という言葉なんて1ミリも信用しません。
彼らが信用するのは、CICに刻まれた「$」マーク(期日通りに入金された記号)の羅列だけです。
「こいつは過去に破産したが、直近1年間は毎月必ず決まった日に支払いを続けている」
この事実だけが、冷徹な審査システムを動かす唯一の鍵になります。
では、カードが作れないのに、どうやってその「実績」を作ればいいのか?
そのための唯一の抜け道であり、具体的な第一歩が、次章から解説するロードマップです。
ステップ0【反省期】:デビットカードで「身の丈」を脳に刻む

クレヒス修行を始める前に、必ず通らなければならない「リハビリ期間」があります。
それが、デビットカード生活です。
「なんだ、デビットかよ。そんなの知ってるよ」
そう思ったあなた。あなたはまだ、自分の「借金依存脳」の深さを分かっていません。
私たち多重債務者は、長年にわたり「来月の給料」や「ボーナス」を当てにして、手元にない金を使うことに慣れきっています。
「クレカがないと不安だ」と感じるのは、その病気が治っていない証拠です。
まずは、この病根を断ち切らなければなりません。
PayPay銀行と楽天銀行デビットがあれば、9割困らない
私は破産直後、すぐに「PayPay銀行」と「楽天銀行」のデビットカードを作りました。
審査はなく、口座開設と同時に発行されます。
実際に使ってみて分かったのは、「日常生活の9割は、デビットカードで事足りる」という事実です。
Amazonでの買い物、Netflixのサブスク、スーパーでの食料品購入。
これらは全て、デビットカードで決済できます。
- レジで「カードで」と言って端末にかざす。
- スマホの通知に「口座から○○円引き落とされました」と即座に表示される。
- 残高が足りなければ、エラーが出て買えない。
この当たり前の仕組みが、リハビリ中の僕には心地よかった。
「ああ、俺は今、身の丈に合った生活をしている」
「借金が増えることは絶対にない」
その安心感は、何物にも代えがたいものでした。
ただし、デビットカードには致命的な弱点があります。
「ガソリンスタンドの一部」「高速道路料金」「機内販売」など、即時決済ができない場所では使えません。
だからこそ、次のステップへ進む必要があるのです。
ステップ1【土台作り】:Nexus Cardで「信用」をお金で買う

デビットカード生活で「現金主義」が身についたら、いよいよCIC(信用情報)を回復させるための「攻め」に転じます。
ここで使う道具が、「Nexus Card(ネクサスカード)」です。
これは、私たちのようなブラック属性(破産者、任意整理中、超多重債務者)にとっての、まさに**最後の砦**です。
Nexus Cardとは?
- 事前に「デポジット(保証金)」を預け、その金額がそのまま利用限度額になるカード。
- 例えば5万円預ければ、5万円までカードとして使える。
- 審査通過率が極めて高い(破産者・ブラックの最後の砦)。
【最重要】CICに「$」マークをつける唯一の裏技
「え? 自分の金を預けて使うの? それじゃデビットカードと同じじゃん」
そう思うかもしれません。しかし、Nexus Cardには、デビットカードには絶対に真似できない、ある「決定的な機能」があります。
それは、Nexus Cardを使った履歴が、CICに「クレジットカードの利用実績」として登録されることです。
デビットカードを100年使い続けても、CICには1行も記録されません。
しかし、Nexus Cardは違います。たとえデポジット(自分の金)であっても、形式上は「クレジットカード」です。
毎月スマホ代などの固定費をNexus Cardで払い、毎月確実に引き落としをさせる。
すると、あなたの汚れたCICデータの下に、毎月一つずつ、輝くような「$(入金完了)」マークが刻まれていくのです。
この「$」マークこそが、将来、楽天カードやアメックスの審査担当者に見せるための「水戸黄門の印籠」になります。
封筒を開け、金色のICチップがついたカードを手にした時、指が震えました。
「やっと、社会の土俵に戻ってこれた」
限度額はたったの5万円。でも、それは僕にとって、どんなゴールドカードよりも価値のある1枚でした。
ステップ2【実績解除】:10万円以下の「法の抜け穴」を突く

Nexus Cardで半年間、「$」マークを6つ並べたら、次は少しハードルを上げます。
「割賦販売(分割払い)」の実績解除です。
ここで多くの人が「アプリで完結するPaidy(ペイディ)の方が楽じゃん」と考えがちですが、それは罠です。
私も試しましたが、Paidy(特にApple専用枠)はCICを厳格に見るため、ブラック状態では秒で否決されます。
我々が狙うべきは、もっと泥臭く、しかし確実なルート。
「携帯キャリア(ドコモ・au・SoftBank)での機種変更」です。
「10万円以下の壁」という特例を利用する
なぜキャリアなのか?
そこには、法律(割賦販売法)の抜け穴とも言える「特例」があるからです。
少額店頭販売品の特例
「10万円以下の生活必需品(スマホなど)であれば、過剰与信の調査(支払可能見込額の計算)を省略してもよい」
つまり、10万円を超える「iPhone Pro Max」などは審査が厳格で落ちますが、6万円代の「iPhone SE」や型落ちのAndroidなら、審査基準がガクッと下がり、通る確率が跳ね上がるのです。
あえてドコモショップへ行け
僕はNexus Card修行の半年後、意を決してドコモショップに行きました。
狙うは「iPhone SE(第3世代)」。価格は6万5千円。
オンラインショップでもいいのですが、対面の方が「頭金を入れるので分割に通して欲しい」といった相談ができる(※店舗による)というメリットもあります。
「分割でお願いします」
そう店員に告げた時の心臓の鼓動は、今でも忘れられません。
タブレットを操作する店員の指が止まるたびに、「ああ、やっぱりダメか? バレたか?」と冷や汗が流れました。
「はい、審査通りました。手続き進めますね」
その言葉を聞いた瞬間、膝の力が抜けました。
これで、CICの「クレジット(カード)」欄に加えて、「割賦(携帯端末)」の欄にも実績が載ります。
「カード払いもできるし、分割払いもできる客」
ブラック一色だった僕の信用情報が、徐々に「グレー(更生中)」へと色が変わり始めた瞬間でした。
絶対条件
当然ですが、これまでの携帯電話料金を滞納していないことが絶対条件です。
携帯料金の滞納(TCAブラック)がある人は、このステップは飛ばして完済を優先してください。
ステップ3【挑戦期】:メルカードの「AI審査」に挑む

さあ、いよいよ本丸です。
デポジット(保証金)不要の、一般的なクレジットカードへの挑戦です。
ここで僕が自信を持って推すのが、「メルカード」です。
なぜ、楽天カードでもYahoo!カードでもなく、メルカードなのか?
それは、彼らが採用している審査システムが、既存のカード会社とは根本的に異なるからです。
CIC重視の旧時代的カード vs 行動評価の次世代カード
一般的なカード会社は、審査の9割を「過去(CIC)」に依存しています。
だから、破産歴(異動情報)がある時点で、自動的に弾かれます。
しかし、メルカード(メルペイ)は違います。彼らが見ているのは、「現在(メルカリでの行動)」です。
- メルカリで物を売買しているか?
- メルペイで期限通りに支払っているか?
- 評価は良いか?
独自のAIが、これらの行動データから「今のあなたの信用度」をスコアリングします。
極端な話、過去に破産していても、「今のメルカリ内での振る舞いが優良なら、枠をあげよう」と判断してくれるのです。
私がメルカード審査に通過した日の全記録
アメックスに瞬殺されて落ち込んでいた僕は、半ばヤケクソでメルカードに申し込みました。
ブログのネタとして「否決画面」のスクショを撮るつもりでした。
しかし、画面に表示されたのは「発行手続きが完了しました」の文字。
利用限度額は「1万円」。
小学生のお小遣いのような枠ですが、間違いなく「クレジットカード」です。
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【証拠画像】自己破産後1年8ヶ月でメルカード審査通過!限度額が1万→11万に育ったブラックの修行記録
はじめに:これは、2度ブラックになった男が「信用」を取り戻す、戦いの記録です 「自己破産をしたら、喪明けまで5年はクレジットカードは持てないんだろうか…」 もしあなたが、かつての僕と同じように、そんな ...
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「たった1万円?」と笑うなかれ。
このカードで「コンビニでコーヒーを買う→即座にアプリから支払う」という回転を繰り返せば、CICにはさらに大量の「$」マークが積み上がります。
そして何より、デポジットなしでカードが作れたという事実は、「お前はもう、普通の人間に戻りつつあるぞ」という社会からのメッセージのように感じられ、涙が出るほど嬉しかったのです。
ステップ4【ゴール】:喪明けと、ETCカードの確保

ここまで来れば、日常生活で困ることはほぼなくなります。
あとは、作り上げたクレヒスを汚さないよう、細心の注意を払って「喪明け(破産から5〜7年後)」を待つだけです。
最後に残る問題は、「ETCカード」です。
残念ながら、Nexus Card(新規発行分)やメルカードでは、ETCカードを作ることができません。
仕事や生活でどうしても高速道路を使う人にとって、これは死活問題です。
ETCカード問題の最終解
現状、破産者がETCを持つ方法は2つしかありません。
ブラックでも作れるETC
- ETCパーソナルカード(パソカ)
高速道路会社が発行するデポジット型ETC。最低2万円〜4万円のデポジットが必要ですが、審査はありません。まずはこれを作るのが正解です。 - 北國銀行 Visaデビットカード
日本で唯一、デビットカードなのにETCが付帯するカードです。ただし、石川県の地方銀行のため、口座開設の手間がかかります。
僕はまずETCパーソナルカードで凌ぎ、現在は喪明け後の「本命カード(楽天やアメックス)」でのETC発行を虎視眈々と狙っています。
まとめ:信用は「金」ではなく「時間」で作るもの

自己破産からの金融再生ロードマップ。
デビットから始まり、Nexus、スマホ分割、そしてメルカードへ。
長く、地味で、泥臭い道のりです。
「もっと手っ取り早い方法はないのか?」
そう思う気持ちは痛いほど分かります。
しかし、断言します。裏技はありません。
SNSや怪しい広告にある「ブラックでも即日融資」「誰でも通る激甘クレカ」という甘い言葉に、絶対に騙されないでください。
そこに手を出したが最後、あなたは再び借金地獄へ逆戻りし、今度こそ本当に人生が終わります。
信用(クレジット)とは、文字通り「信じて用いる」こと。
失った信用は、大金(年収)を積んでも買い戻せません。
「毎月、約束を守る」という時間を積み重ねることでしか、取り戻せないのです。
再生の3ステップ
- デビットカードで足元を固める
- Nexus Cardでお金で信用を買う
- メルカードで実績を証明する
私ができたのですから、あなたにも必ずできます。
まずは財布の中の小銭を整理し、デビットカードを申し込むところから始めてみてください。
今日踏み出すその小さな一歩が、数年後の「自由」な生活へと繋がっています。