本当の「どん底」
希望、未来、そして愛する人。僕は、本当に全てを失いました。
自己破産なんて、どうでもよかった。社会的信用を失うことなんて、ちっとも怖くなかった。僕にとっての本当の「どん底」は、彼女に完全に拒絶され、世界でたった一人になった、あの瞬間でした。
残されたのは、彼女への行き場のない恨みと、憎しみ。そして、そんな感情に支配される、腐りきった自分の心だけでした。
「このまま、デブで不健康で、執着の塊のまま死んでいくのか?」
鏡に映る、惨めな中年男の姿に吐き気がしました。このまま終わりたくない。いや、このまま終わってたまるか。
逆襲の舞台は「ジム」
僕を突き動かしたのは、元カノへの復讐心でした。痩せて、かっこよくなって、強くなって、いつか会った時に後悔させてやる。そんな、ありきたりで、しかし当時の僕にとっては唯一の、力強いエネルギーだったのです。
2024年2月、僕は自宅近くのジムの門を叩きました。それは、単なるダイエットのためではありませんでした。僕にとっては、腐りきったメンタルを叩き直し、新しい自分に生まれ変わるための「再生工場」だったのです。

僕を救った、ある言葉
心に余裕が生まれる。護身にもなるし、人に優しくなれる。
格闘技を始めようか悩んでいた時、SNSのフォロワーが教えてくれた言葉です。その時は半信半疑でしたが、今ならその意味が痛いほど分かります。
ジムには、僕と同じように自分を変えようともがく同年代の仲間や、プロの格闘家たちがいました。彼らは、誰に強制されるでもなく、ただひたすらに自分自身と向き合い、黙々と汗を流していたのです。
「自分軸」を取り戻す
キックボクシング、柔術、フィジカルトレーニング。死ぬほどキツい練習を乗り越え、身体がみるみる変わっていく中で、僕の心にも少しずつ変化が訪れました。
他人の努力を、心から尊敬できるようになった。そして、あれほど執着していた元カノのことが、どうでもよくなっていったのです。
彼女にどう思われるか、ではない。自分がどうなりたいか。僕の心に「自分軸」という、新しい柱が打ち立てられた瞬間でした。
もちろん、再生への道は平坦ではありません。この後も、僕は骨折という挫折を味わい、新たな恋に悩み、何度も過去の自分に引き戻されそうになります。
しかし、この日、このジムで、僕の本当の逆転劇のゴングは、確かに鳴らされたのです。
ジムでのトレーニングと、身体の変化。そして、僕が格闘技を通して学んだ、人間関係におけるある重要な「気づき」について。次回、その物語をお話しします。
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第15章:汗と痛みと、自分軸。僕が格闘技で手に入れた本当の強さ
身体の変化、心の変化 ジムの門を叩いてから、僕の生活は一変しました。週に何度もジムへ通い、キックボクシング、ブラジリアン柔術、そしてフィジカルトレーニングに没頭する。全身が筋肉痛で悲鳴を上げる日々。し ...
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