人生再建

第7章:43歳の教習所。抜け殻の僕が見つけた、学ぶ喜び

9月 1, 2025

抜け殻になった僕

2019年7月、僕は全てを失いました。家族、家庭、そして父親としての自分。残されたのは、それなりの借金と数匹の猫だけでした。

離婚後の日々は、まるで抜け殻のようでした。何をする気力も湧かず、ただ時間だけが過ぎていく。そんな僕を、社会は待ってはくれませんでした。

2020年、新型コロナウイルスの蔓延が、僕のフリーランスとしての仕事を完全にゼロにしたのです。世の中が止まり、僕の人生も完全に止まってしまったように感じました。

このまま、何もかも失って、ただ朽ち果てていくだけなのか。

43歳、初めての教習所

どん底の中で、ふと思いました。

「もし、このままITの仕事がなくなったら、俺には何が残るんだろう?」

その漠然とした不安が、僕をほんの少しだけ前に動かしたのです。それは、未来の自分が食いっぱぐれないようにするための、必死の悪あがき。僕が始めたのは、自分自身への「投資」でした。

2020年、僕は思い立ってある国家資格の勉強を始めました。そして2021年、堰を切ったように運転免許の取得に乗り出したのです。

若い頃は、貧困で免許を取る余裕などなかった。43歳にして、初めて教習所に通う。周りは当然、自分より二十歳以上も年下の若者ばかりです。しかし、不思議と惨めな気持ちはなかった。むしろ、楽しかった。

僕が再発見した、純粋な喜び

自分のお金で、自分の意志で学ぶことは、驚くほど楽しかった。

なんとなく親の金で来ている若者たちが、学科で居眠りしては教官に叱られているのを横目に、僕は全ての授業を夢中で受けました。運動神経には自信があったから、それを証明するかのように、普通二輪、普通自動車、大型二輪の卒業検定を、全てミスなくストレートで合格したのです。

そして2021年10月、免許を取得したその足で、当時入手困難だったホンダのバイク「CT125ハンターカブ」を契約していました。

ほんの少しの、希望の兆し

資格を取ったからといって、免許を取ったからといって、僕の生活がすぐに好転したわけではありません。借金は依然として重くのしかかり、孤独な日々に変わりはありませんでした。

でも、何かが少しだけ変わった気がしたのです。

自分の力で、未来の選択肢を一つ、また一つと増やしていく。その小さな成功体験が、空っぽだった僕の心に、ほんの少しだけ何かを灯してくれたのかもしれません。

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カイ
このまま一人で生きていくのは、やっぱり寂しい。誰かと、もう一度…。

未来への投資を始めたことで、僕の心には「誰かと繋がりたい」という、人間としての当たり前の感情が、ほんの少しだけ蘇っていました。

そして僕は、その孤独を紛らわすために、一つのアプリをスマートフォンにインストールします。それが、僕の人生を再び大きく動かすことになる、「マッチングアプリ」との出会いでした。

「崖っぷちのごった煮」とでも言うべき、マッチングアプリの闇。散々な経験の果てに出会った、運命のパートナーと、彼女から提示された「人生逆転のための3つの条件」。次回、その物語をお話しします。

第8章:「崖っぷちのごった煮」で見つけた、最後の恋

人との繋がりを求めて 国家資格を取り、運転免許も手に入れました。抜け殻だった僕の心に、未来への選択肢という、ほんの小さな灯火がともったのです。 でも、心の奥底にある寂しさは、消えることがありませんでし ...

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